将来宇宙輸送システム、電動ポンプのロケットエンジンを開発--荏原製作所と提携

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将来宇宙輸送システム、電動ポンプのロケットエンジンを開発–荏原製作所と提携

2024.09.30 13:30

UchuBizスタッフ

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 将来宇宙輸送システム(Innovative Space Carrier:ISC、東京都中央区)は荏原製作所の電動ポンプを使ったロケットエンジンを共同で開発する。ISCと荏原製作所は8月21日に包括連携協定を締結した。9月27日に発表した。

 荏原製作所は、2000年代初頭から回転機械技術を活用して宇宙航空研究開発機構(JAXA)のエンジン用ターボポンプ改良を支援してきたと説明。これらの知見を生かして、宇宙への輸送手段の低コスト化実現に貢献するため、ロケットエンジン用ポンプの開発を進めている

 同社が開発するロケットエンジン用ポンプは駆動機に電動モーターを採用している。ロケットエンジンの性能を高めるためには燃焼剤や酸化剤を昇圧するためのターボポンプが必要となるが、電気駆動とすることで保全性や扱いやすさが向上し、再使用型ロケットと相性の良いロケットシステムを構築することが可能とISCは解説する。

 ISCは、荏原製作所の電動ポンプ技術を活用したロケットエンジンを開発する。再使用型のロケットシステムを検討する上で重要となる課題は、着陸時の推力調整機能や繰り返し使用に耐えられるメンテナンス性になるが、電動ポンプはこうした課題に対応できる技術として期待されていると説明。海外では電動ポンプを活用したロケットシステムが商業利用されているが、日本国内ではまだ利用されていないという。ISCは、荏原製作所との連携で国内で実現させる考え。

 ISCと荏原製作所は連携して、ロケットエンジンの地上燃焼試験を行い、2028年3月までに地球周回軌道に人工衛星を投入する技術を実証できるレベルにまで高めることを目指すとしている。

関連情報
ISCプレスリリース(PR TIMES)

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