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ラグランジュ点で太陽風の観測を–韓国宇宙機関とNASAが共同声明に署名
米航空宇宙局(NASA)と韓国航空宇宙庁(Korea AeroSpace Administration:KASA)は米国時間9月19日、宇宙の未踏領域へのミッションを含む宇宙探査、科学、航空といった分野での協力に合意した。
共同声明によれば、協力の可能性がある分野としてNASAの月から火星までの協力計画、宇宙生命科学と医療活動、月面科学、韓国の深宇宙アンテナの活用、地球低軌道(LEO)での将来の商業活動などが含まれる。
新たな協力分野の一つとして、太陽と地球の重力が均衡する「ラグランジュ点(L4)」へのミッションがある。KASAは宇宙放射線の理解を深めることを目的として、L4に太陽風の観測ステーションを設置したいと考えていると、韓国メディアのThe Chosunが報じている。ミッションの打ち上げ予定日は不明だ。
「地球と宇宙の両方で長年に渡り共に取り組んできた成果をもとに、大韓民国とその新しい宇宙機関とのパートナーシップを大幅に拡大できることを誇りに思う」と、NASA長官のBill Nelson氏は述べている。
KASAは5月30日に発足。韓国の宇宙政策を監督し、宇宙関連企業の育成を目指す。韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領によれば、2045年までの火星着陸を目標にするという。韓国は火星ミッションまでの宇宙開発に100兆ウォン(11兆4118億円)を投入する。
韓国の宇宙開発はこれまで韓国航空宇宙研究院(Korea Aerospace Research Institute:KARI)が主導してきた。KASAはNASAにならった組織とされ、さまざまな省庁に分散している宇宙開発計画を科学技術情報通信部(Ministry of Science and ICT:MSIT)のもとに統合管理するという。