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米ロケットスタートアップ企業、海上からの打ち上げに成功–混雑する地上射場の解決策として期待
ロケットスタートアップの米Evolution Spaceは米国時間8月31日、米The Spaceport Companyが運営する海上プラットフォームから小型ロケットの試験打ち上げを実施した。
Evolutionは、2018年創業の米カリフォルニア州モハべを拠点とする新興企業。2023年にSpaceportの射場から4機の観測ロケットを打ち上げている。Spaceportの海上プラットフォームは、米国防総省の国防イノベーションユニット(Defense Innovation Unit:DIU)からの250万ドル(約3億6000万円)の契約によって資金提供されたものだ。
メキシコ湾から実施された今回の打ち上げは、準軌道(サブオービタル)で亜極超音速で飛行するロケットとして設計された固体推進試験機が高度5万5500フィート(約1万7000m)に到達した。今回の試験はサブスケール機による試験飛行であり、本格的な開発に先立ってデータを収集し、設計コンセプトを検証する。
「我々は国防総省のインフラ課題に新たな解決策を提供するという使命をSpaceportと共有している」と、Evolutionで戦略担当ディレクターを務めるMatthew Merighi氏は海外メディアのSpaceNewsに語っている。Spaceportの創業者で最高経営責任者(CEO)であるTom Marotta氏によれば、このテストは同社の海上発射装置と地上支援装置の検証に役立ったという。Spaceportが開発する海上プラットフォームは、混雑する宇宙ロケット発射場への解決策という意味合いもあるとしている。
Evolutionは、米空軍省(DAF)のイノベーション部門であるAFWERXが進めている「中小企業技術革新制度」(Small Business Innovation Research:SBIR)のフェーズ2で契約している。