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滑走路に着陸できる宇宙船「ドリームチェイサー」を大分空港に–三菱UFJ銀と東京海上日動も参加
2024.07.12 15:33
米Sierra Spaceが開発する宇宙往還機(スペースプレーン)「Dream Chaser」の活用検討に向けたパートナーシップに三菱UFJ銀行と東京海上日動火災保険が新たに加わった。パートナーシップに参加している兼松が7月12日に発表した。
パートナーシップはSierra Spaceや兼松のほかに日本航空(JAL)や大分県が進めている。大分空港をDream Chaserのアジア拠点として活用することを目指して、大分空港へのスペースプレーン着陸や法規制の課題整理、宇宙港周辺経済圏の構築など議論を進めてきている。
今回、三菱UFJ銀行と東京海上日動火災が加わることで大分空港の宇宙港としての活用、実現に向けた取り組みを加速させるという。Sierra Spaceは2023年9月に増資、兼松や三菱UFJ銀行、東京海上日動火災が共同で主導した。
全長9mのDream Shaserはロケットで打ち上げられ、地球低軌道(LEO)に到達した後、スペースシャトルと同じように自力で地球へ帰還し滑走路に着陸する。米航空宇宙局(NASA)の「商業補給サービス」(Commercial Resupply Services:CRS)の第2フェーズ(CRS-2)として国際宇宙ステーション(ISS)へのミッションが予定されている(CRSはNASAがISSへの貨物や物資の輸送を民間企業に委託する契約)。
カーゴモジュール「Shooting Star」と積み重ねられて打ち上げることもできる。Shooting StarはDream Chaser本体の後部に装着可能。与圧と非与圧の区画に分けられ、非与圧区画に最大5500kgの物資をISSに届けることができる。
初号機「Tenacity」は2023年11月に完成。2024年2月にメディア向けに公開されている。2024年5月には、衝撃や振動、熱真空試験などが完了している。2024年後半に初打ち上げが予定されている。
2号機「Reverence」は米コロラド州ルイビルのSierra Spaceの工場で製造されている(Reverenceは「崇敬」「恭順」などを意味している)。
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兼松プレスリリース