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「衛星地球観測コンソーシアム」、9月に設立–非宇宙分野からの参加も期待

2022.08.01 17:08

飯塚直

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 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は8月1日、JAXAが事務局を務める「地球観測衛星コンソーシアム(仮称)準備委員会」(座長:公益財団法人笹川平和財団理事長 角南篤氏)が「衛星地球観測コンソーシアム」(Consortium for Satellite Earth Observation:CONSEO)を9月7日に設立すると発表した。同日に設立シンポジウムも開催する。

 CONSEOでは、地球観測衛星の全体戦略を網羅的に検討しつつ、(1)目指すべき将来像や観測分野を推進すべき理由(2)社会実装や利用拡大のための課題と対策(3)新規ビジネス創出や産業基盤維持のための課題と対策(4)衛星開発実証や基盤研究開発のあり方、衛星のベストミックス(5)戦略的、総合的な観測プログラムのあり方――といった、主要な論点を識別し議論する予定。特に重要な論点については、別途個別のワーキンググループで議論予定だという。

 産学官連携推進のための取り組みとして、新規プレーヤーの参入促進や利用促進のための取り組みの推進や紹介、JAXAなどでの産学官共創プログラムの推進、その他産学官のプレーヤー主体の取り組みとの連携を進めていく。

 CONSEOは、地球観測衛星開発や衛星データ利用事業を手掛けるメーカーやベンチャー、地球科学・衛星技術などの分野や非宇宙分野の研究者、学会や研究機関、行政機関など幅広い分野からの参加を期待しているという。

 衛星地球観測に関連するステークホルダーが努力したことで防災対策や国土強靭化、気候変動問題や持続可能な開発目標(SDGs)をはじめとする地球規模課題への対応、安全保障への貢献など、持続可能な社会を構築する上で、衛星地球観測は不可欠なものとなりつつあるという。

 近年、宇宙産業市場は、ベンチャーを含む民間企業の宇宙活動が活発化し、官主導から官民連携の時代を迎えている。宇宙産業以外に目を向けると、Society 5.0の実現や人工知能(AI)技術の発展、スマートシティの構築などの環境変化があり、これに呼応することで衛星観測データがICT分野での飛躍的に活用されるなど、衛星地球観測市場の拡大も期待できるとしている。

 こうした中、産学官で日本の衛星地球観測分野での総合的な戦略提言をまとめることによる、宇宙基本計画や工程表などの政策議論に貢献するとともに、日本の地球観測に基づく地球科学の強みを伸ばして、世界との協調による気候変動対策を先導、産学官による具体的な連携活動を推進し、コンソーシアムへの参加者が非宇宙産業にも拡大することで日本の成長産業となることなどを目指し、CONSEOを設立することになったという。

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