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スペースデータ、宇宙環境をデジタル空間に再現する「宇宙デジタルツイン」開発
2023.12.01 07:00
スペースデータ(東京都新宿区)は11月30日、宇宙環境をデジタル空間に再現する「宇宙デジタルツイン」を開発したと発表した。バーチャルの月面や国際宇宙ステーション(ISS)を実験的に構築したという。
同社は、衛星データや人工知能(AI)技術、3DCGを活用し、デジタル空間に現実そっくりの複製(デジタルツイン)を自動生成する技術を開発。衛星から取得できる地上の静止画像と標高データを機械学習させている。地上の構造物を検出した上で、AIに地上の3Dモデルを自動生成させ、3DCGで金属や植物、コンクリートなどの細かな材質まで再現できるという。
今回、デジタルツイン技術を地球外の宇宙空間にも応用し、宇宙環境をデジタル空間に再現する宇宙デジタルツインを実験的に開発した。
衛星データを活用して月面環境や地球の周辺環境を再現、月の重力や宇宙の無重力、ISSを反映。擬似宇宙空間でリアルタイムに動き回ったりシミュレーションしたりできるという。
同社によると、宇宙デジタルツイン技術を活用することで宇宙空間でさまざまなシミュレーションが可能になり、研究や教育、エンターテインメントの分野に大きなイノベーションが期待できるとしている。
例えば、月面を探査する場合のルートシミュレーション、月面基地を作る場合の事前検証、民間で宇宙ステーションを建築する場合のテスト、民間宇宙旅行の擬似体験といった用途を想定する。
今後は、宇宙デジタルツイン技術を多くの企業や希望者が利用できるプラットフォームとする予定。同プラットフォームでは、宇宙ビジネスだけでなく、教育や研究でも幅広い用途で活用できることを目指すという。