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衛星を多数喪失、通信も2週間途絶–太陽フレアの「最悪シナリオ」総務省が公開

2022.06.23 11:28

小口貴宏(編集部)

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 総務省の有識者会議「宇宙天気予報の高度化の在り方に関する検討会」は6月21日、極端な宇宙天気現象が社会インフラへ与える影響をまとめた報告書を公開した。

宇宙天気現象の種類と発生する障害(出典:総務省)
宇宙天気現象の種類と発生する障害(出典:総務省)

 同報告書では、太陽フレア爆発などの極端な宇宙天気現象が、通信や放送、測位、人工衛星、航空無線、電力などの社会インフラに異常を生じさせ、社会経済活動に多大な影響を与える恐れがあるとした。

 100年に1回またはそれ以下の頻度で発生する最悪シナリオでは、通信と放送が2週間断続的に途絶し、携帯電話も一部でサービスが停止するという。

 また、多くの人工衛星を喪失し、人工衛星を用いたサービスが停止に追い込まれるほか、衛星測位の精度にも最大数十メートルの誤差が生じ、ドローンなどの衝突事故が発生。航空機や船舶も世界的な運行見合わせが発生するという。加えて、耐性のない電力インフラにおいて広域停電が発生するとした。

宇宙天気リスクの俯瞰図(出典:総務省)
宇宙天気リスクの俯瞰図(出典:総務省)

 報告書では、これらを「文明進化型の災害」と位置づけ、国家全体として危機管理にあたるべきとした。また、通信や放送、電力、航空各社が宇宙天気現象のリスクを的確に認識し、行動に着手することが必要と提言した。

 加えて、宇宙天気現象を予報、警報する「宇宙天気予報」の高度化について言及。単に現象の規模を予測するのではなく、現象がもたらす社会的影響を考慮した、計17種類の予報警報カテゴリを新設し、うち12種類について基準の閾値を策定するとした。

社会的影響を考慮した宇宙天気予報を提供していく(出典:総務省)
社会的影響を考慮した宇宙天気予報を提供していく(出典:総務省)

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