月の裏側に電波望遠鏡を設置するミッション、2025年に打ち上げ--「暗黒時代」を調査

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月の裏側に電波望遠鏡を設置するミッション、2025年に打ち上げ–「暗黒時代」を調査

2023.09.29 15:27

塚本直樹

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 月の裏側に電波望遠鏡を設置するミッション「Lunar Surface Electromagnetics Experiment-Night(LuSEE-Night)」が2025年に打ち上げられる。

 LuSEE-Nightは、ローレンス・バークレー国立研究所、ブルックヘブン国立研究所、ニューヨーク大学の研究者が開発し、米航空宇宙局(NASA)と米エネルギー省が資金を提供する。

 ミッションはNASAの「商業月面輸送サービス(Commercial Lunar Payload Services:CLPS)」として打ち上げられる。着陸船(ランダー)はFirefly Aerospaceの「Blue Ghost」を採用する。

 LuSEE-Nightは、ビッグバン後に訪れた「暗黒時代」を調査する。暗黒時代では最初の星や銀河が形成され、宇宙を満たしていた中性水素原子ガスがイオン化しだした時期とされている。地球の大気や地上からの電波干渉が、この中性水素からのマイクロ波の観測を妨害している。

 ローレンス・バークレー国立研究所のKaja Rotermund氏は、「月の裏側にいれば、電波に影響されない環境を得ることができ、暗黒時代からの信号を検出できる」と述べている。「LuSEE-Nightは我々が行ったことのない場所、観測したことのない周波数帯域から、このような観測ができるかどうかを示すミッションだ」

(出典:Firefly Aerospace)
(出典:Firefly Aerospace)

関連リンク
ローレンス・バークレー国立研究所プレスリリース
Space.com

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