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Synspective、浸水被害監視サービスの精度向上–佐賀豪雨の被害地域で実証実験
2022.05.26 08:00
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は5月24日、佐賀県、Synspective(東京都江東区)、島内エンジニア(佐賀県佐賀市)と共同で、衛星データを活用した平時と災害時での実運用に向けた実証実験を実施したと発表した。
JAXAは、宇宙技術を活用して地域課題の解決を図ることを目指した連携と協力に関する協定を佐賀県と2021年3月22日に締結。同協定では、災害や農業、土木などの分野で地域課題解決や宇宙ビジネスの発展に寄与するモデルケースを創出することに加え、他自治体への展開も目指し、「宇宙×地方創生」をテーマとしたさまざまな取り組みを進めているという。
今回、Synspectiveと島内エンジニアが同協定へと参画。合成開口レーダー(SAR)衛星のデータを活用して全国的に頻発している豪雨などへの水災害への対策の強化に加え、Synspectiveの浸水被害モニタリングサービスの精度向上も目指し、平時と災害時での実運用に向けた実証実験を実施したという。
その結果、従来は高精度での浸水状況検出が困難であった農地エリアの解析アルゴリズムを改良したことで検出精度が向上したと説明。災害発生時だけでなく、復旧や復興時の被災状況データ蓄積への活用など、新たなユースケースを得られたという。
今後、これらの成果を踏まえ、今年の洪水時期でも、実利用に向けた試験運用に取り組む。今回得られたユースケースの有用性が認められれば、衛星データ活用による地域課題解決という社会実装に大きく近づくとしている。
JAXAと佐賀県は引き続き、今回の成果をモデルケースとした水平展開を目指すとともに、地域課題解決や他の自治体との連携・協力にも取り組むとしている。