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QPS研究所、衛星の運用をスカパーJSATに委託–コンステレーションを早期に実現
2023.07.19 14:18
小型の合成開口レーダー(SAR)衛星を開発、運用するQPS研究所(福岡市中央区)は、同社のSAR衛星の運用業務をスカパーJSATに委託すると発表した。
QPS研究所は、従来のSAR衛星に比べ質量が20分の1、製造コストが100分の1という小型SAR衛星「QPS-SAR」を開発する企業。現在、夜間や天候不良時でも高分解能かつ高画質に観測できるSAR画像を提供している。
今後、衛星を毎年複数機打ち上げ、2025年以降を目標に36機体制の小型SAR衛星によるコンステレーションを構築する計画。コンステレーションを構成する6号機「アマテル-III」を6月に打ち上げ、最初の画像(ファーストライト)を先日公開した。コンステレーションが実現すれば、平均10分ごとの「準リアルタイム地上観測データサービス」の提供が可能になるという。
スカパーJSATは、1989年に日本で初めて民間通信衛星を打ち上げた企業。その後、累積30機以上の自社衛星と受託衛星の運用を担ってきた。
小型SAR衛星の運用業務をスカパーJSATに任せることで、QPS研究所は衛星の開発や設計、製造、データサービスの拡充と提供に注力し、衛星コンステレーションの早期実現を目指す。
QPS研究所は、第三者割当増資を通じてスカパーJSATからの出資を受け入れている。スカパーJSATと日本電信電話(NTT)による合弁会社であるSpace Compassの地球周回衛星用向け光通信データリレーサービスを、小型SAR衛星で活用するための検討に着手した。