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JAXA、火星衛星探査「MMX」の探査車開発で独仏宇宙機関と協力覚書を締結
2023.06.26 14:11
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、「火星衛星探査計画(Martian Moons eXploration:MMX)」で小型探査車(ローバー)「IDEFIX(イデフィックス)」を火星の衛星フォボスに降下させる計画だが、同ローバーを開発するドイツ宇宙航空センター(DLR)とフランス国立宇宙研究センター(CNES)と協力覚書(Memorandum of Cooperation:MOC)に署名した(JAXA、DLR)。
MMXでは、火星まで飛ばした探査機でフォボスとダイモスという2つの衛星を調査する。フォボスに着陸して岩石などの試料(サンプル)を採取し、地球まで持ち帰る。フォボスからのサンプルリターンは史上初の試み。
探査機には、DLRとCNESが共同開発する小型ローバーのIDEFIXを搭載し、探査機本体の着陸前にフォボスへ下ろす計画。IDEFIXは、重力が地球に比べ約2000分の1しかないフォボス表面を自走し、いわゆる「斥候」として地形調査などを行う。こうして得られた情報は、探査機の安全な着陸に役立てるという。
IDEFIXの開発は、現在フランスのトゥールーズにあるCNESの施設で最終段階を迎えている。2023年夏に、日本へ輸送する予定だ。
MMXの探査機打ち上げは、2024年度に実施する計画。約1年かけて火星に到着して周回軌道に入った後、フォボスとダイモスを調査し、サンプル採集などを行う。
DLRとCNESには、小惑星サンプルリターンミッション「はやぶさ2」で小惑星リュウグウへ送った、小惑星着陸機「MASCOT」の開発実績がある。