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「地球外文明からのメッセージ」に備える予行練習–火星探査機を活用

2023.05.29 13:35

塚本直樹

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 地球外知的生命体探査(SETI)の調査として5月24日、欧州の火星探査機「Trace Gas Orbiter」が地球へ向けてのメッセージ「A Sign in Space」を送信した。

出典:ESA/ATG medialab

 SETIは地球外生命体の存在を調査しており、2022年には宇宙人との接触に向けて準備を整えるための研究ハブ「SETI Post-Detection Hub」の創設も発表した。またTrace Gas Orbiterは欧州とロシアの共同プロジェクトで、火星の大気を調査している。

 今回Trace Gas Orbiterは、地球へと向けて、「地球外文明からのメッセージ」を模した暗号メッセージを送信した。その16分後、メッセージは地上の3基の大型電波望遠鏡により受信された。このメッセージは現在、様々なバックグラウンドを持つ機関によって分析されており、将来、地球外文明からのメッセージが届いた場合に備える「予行練習」との意味合いがある。

 A Sign in Spaceを率いる、米ウェストバージニア州にあるグリーンバンク望遠鏡のアーティストであるDaniela de Paulis氏は、「地球外の文明からのメッセージを受け取ることは、全人類にとって興味深い体験となるでしょう」と語っている。

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