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NASAの太陽フレア観測衛星、役割終え地球に落下
米航空宇宙局(NASA)は、太陽フレア観測のため約21年前に打ち上げた人工衛星が、運用を終えて地球に落下すると発表した。
人工衛星RHESSIは2002年に打ち上げられ、18年に運用が終了。NASAによると、米東部標準時の19日午後9時半ごろ地球の大気圏に突入する。
衛星の重量は約300キロ。大気圏突入でほとんどは燃え尽きる見通しだが、一部の部品は落下が予想される。地球上の誰かに被害を及ぼす確率は低く、NASAによればおよそ2467分の1とされる。
同衛星には太陽のX線とガンマ線を記録する画像分光計が搭載され、太陽フレアで放出されたエネルギーを運ぶ高エネルギー電子の画像を地球の低軌道からとらえていた。
それまで太陽フレアのガンマ線の画像や高エネルギーX線の画像がとらえられたことはなく、同衛星の観測データはこの現象や、関連するコロナ質量放出について解明する貴重な手がかりとなった。
そうした現象により、わずか数分で数十億メガトンのTNT(トリニトロトルエン)に匹敵するエネルギーが太陽の大気中に放出され、地球にも電気系統の乱れなどの影響が及ぶことがある。
RHESSIは長年にわたり、小さなナノフレアから、その何万倍も大きく爆発力も強い巨大なスーパーフレアに至るまで、幅広い大きさの太陽フレアを記録していた。
NASAは国防総省とともに、RHESSIの大気圏突入を監視するとしている。
(この記事はCNN.co.jpからの転載です)