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月を目指す「HAKUTO-R」着陸船、地球を撮影した画像の取得に成功
2022.12.15 16:43
ispace(東京都中央区)は、民間月探査プログラム「HAKUTO-R」ミッション1で打ち上げた月着陸船(ランダー)から地球を撮影し、画像取得に成功した。
ミッション1のランダーは、Space Exploration Technologies(SpaceX)のロケット「Falcon 9」に搭載され、米フロリダ州ケープカナベラル宇宙軍基地から12月11日に打ち上げられた。打ち上げと、ロケットからの分離は無事に成功した。
その後、姿勢が安定していること、軌道上で電源供給できていること、基幹システムに不備のないことなどから、「初期クリティカル運用状態の完了」を確認した。すでに月軌道を一度通り過ぎ、地球から約44万km離れた地点を航行中という。
ランダーの搭載カメラで撮影した画像は、ロケットから分離されて約19時間後に取得したもの。中央下部には三日月のような形の地球が写っていて、右下にはパートナー企業のロゴ搭載プレートが捉えられている。
貨物(ペイロード)として搭載しているカナダCanadensys Aerospaceのカメラでも、画像取得に成功した。こちらの画像では、大きく写った地球と分離後のロケットが確認できる。
今回のミッションで搭載したペイロードは、以下の7個。現在、各ペイロードに不具合がないか確認作業を進めている。
- 日本特殊陶業の固体電池
- ドバイ首長国政府宇宙機関ムハンマド・ビン・ラシード宇宙センター(Mohammed Bin Rashid Space Centre:MBRSC)の月面探査ローバー「Rashid」
- 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の変形型月面ロボット「SORA-Q」
- カナダMission Control Space Servicesの人工知能(AI)フライトコンピューター
- カナダCanadensys Aerospaceのカメラ
- HAKUTO-Rの前身プロジェクト「HAKUTO」のクラウドファンディング支援者の名前が刻印されたパネル
- HAKUTOアンバサダーだったロックバンド、サカナクションによるHAKUTO応援歌「SORATO」とHAKUTOのフライトモデル「SORATO」の設計データを格納したディスク
今後、ランダーは軌道修正のマヌーバなどを実施し、2023年4月末の月面着陸を目指す。