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中国、有人宇宙船を打ち上げ 宇宙ステーション完成へ
2022.11.30 12:21
中国の有人宇宙船「神舟15号」が29日午後11時8分、内モンゴル自治区のゴビ砂漠にある酒泉衛星発射センターから打ち上げられた。宇宙飛行士3人を乗せた神舟15号は順調にいけば完成間近の宇宙ステーション「天宮」にドッキングし、飛行士らは滞在中、40以上の実験を行う。
現在、天宮には6月に到着した神舟14号の飛行士が滞在しており、5〜10日間は2チームの滞在が重なる。
国営新華社通信によると、中国有人宇宙局の担当者は28日の記者会見で、神舟15のミッションは来月末までにステーションの建設を終了し、「ステーションの応用と発展」の第1段階を開始することだと述べた。
神舟15の飛行士らは滞在中、宇宙科学研究、宇宙医学、宇宙技術の分野で40以上の実験やテストを行うほか、船外活動も3、4回行う予定という。
天宮は、米国、ロシア、日本、カナダ、欧州宇宙機関の協力の下で運用されている国際宇宙ステーション(ISS)より規模は小さいが、モジュール式の設計は似ている。建設完了後の天宮の寿命は15年と予想されている。
中国有人宇宙局によると、中国は今後、有人ミッションと貨物ミッションを年2回ずつ実施する計画という。
一方で、ISSは老朽化しつつあり、米航空宇宙局(NASA)の関係者はISSを2030年に引退させると述べている。また、ロシアが24年にもISSから撤退すると発表している。
こうしたことから、英バーミンガム市立大学のステファニア・パラディーニ博士は「中国の宇宙ステーションはしばらくの間、地球軌道上で唯一の人類の存在であり続けることになるかもしれない」と指摘している。
(この記事はCNN.co.jpからの転載です)