ニュース

インターステラ、小型ロケット「ZERO」の推進剤タンク試験用の構造試験棟を完成

2022.10.03 16:58

飯塚直

facebook X(旧Twitter) line

 「宇宙の総合インフラ会社」を目指すインターステラテクノロジズ(北海道大樹町)は10月3日、超小型人工衛星打ち上げロケット「ZERO」の推進剤タンク試験用に用いる構造試験棟が完成したと発表した。

 構造試験棟は、本社(北海道大樹町芽武690番地4)社屋南側に建設。タンクの圧力への耐久性を確かめる「耐圧試験」設備(高さ16.4m、幅12m、奥行き8m、延床面積72m2)と、気密性を確認する「気密試験」設備(高さ5.3m、幅5.2m、奥行き13m、延床面積65m2)の2棟で構成されている。

完成した構造試験棟(出典:インターステラ)
完成した構造試験棟(出典:インターステラ)

 ZEROは、宇宙到達実績のある観測ロケット「MOMO」に続くロケットとして開発、製造している、超小型人工衛星を宇宙空間(地球周回軌道上)に運ぶための小型ロケット(長さ25m、直径1.7m、総重量33t)。1機あたり6億円以下と海外のロケット会社と引けを取らないという国際競争力のあるロケットとして、2023年度の初号機打ち上げを目指している。

 現在では、1段目タンク(高さ約7m、直径1.7m)と2段目タンク(高さ約1.7m、直径1.7m)それぞれの設計、製造が進んでおり、今回完成した同棟は、これらタンクの開発試験やロケット量産時の試験に使用していくという。

 設計と施工は、同社のパートナーシッププログラム「みんなのロケットパートナーズ」に参画する萩原建設工業(北海道帯広市)が担当。同棟では、今冬以降に試験を計画している。

ZEROの主要コンポーネント(出典:インターステラ)
ZEROの主要コンポーネント(出典:インターステラ)

Related Articles