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太陽探査機「Solar Orbiter」、コロナ質量放出に遭遇–太陽粒子の増加を検出

2022.09.06 17:59

塚本直樹

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 欧州宇宙機関(ESA)の太陽探査機「Solar Orbiter」が8月30日、太陽からの「コロナ質量放出」に遭遇した。

 Solar Orbiterは2020年に打ち上げられた太陽探査機で、太陽のコロナや太陽風、磁場の研究を目指している。太陽からは、突発的に宇宙空間にプラズマの塊が放出されるコロナ質量放出が起こることが知られている。

 8月30日のコロナ質量放出では、太陽から金星の方向へとプラズマが放出された。Solar Orbiterは金星と接近している最中に、これに遭遇したことになる。同探査機はコロナ質量放出の最中に、高エネルギー太陽粒子の増加を検出することに成功している。

 現時点では、コロナ質量放出によるSolar Orbiterへの影響は報告されていない。同探査機は、コロナ質量放出への遭遇も想定して設計されている。金星に接近した際には太陽光の反射の影響を避けるため、一部の観測機器は停止されていた。

 Solar Orbiterは今後10年間、太陽の極域を含む未知の探査ミッションを取り組む予定となっている。

(出典:ESA)
(出典:ESA)

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