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宇宙開発が趣味のサラリーマンが開発した「音楽作曲演奏衛星」、ISSに–AIが作曲、地上に送信

2025.08.13 09:00

UchuBizスタッフ

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 一般社団法人リーマンサットスペーシズ(東京都江戸川区)が取り組む「リーマンサット・プロジェクト」で開発されたキューブサット「RSP-03」(愛称「ハモるん」)が国際宇宙ステーション(ISS)に打ち上げられる。8月8日に発表した。

 ISSへの物資補給ミッション「SpaceX CRS-33」(SpX-33)として、米Space Exploration Technologies(SpaceX、スペースX)の無人補給船「Cargo Dragon」に格納されて、米東部時間8月21日午前3時57分にSpaceXのロケット「Falcon 9」で打ち上げられる予定。ハモるんは、ISSに運び込まれ、約1カ月後にISSの日本実験棟(JEM)「きぼう」から軌道に放出される計画となっている。

大きさが1U(10cm×10cm×10cm)のキューブサットであるハモるん(出典:リーマンサットスペーシズ)
大きさが1U(10cm×10cm×10cm)のキューブサットであるハモるん(出典:リーマンサットスペーシズ)

 リーマンサットスペーシズは自らを「趣味としての宇宙開発」を掲げる民間宇宙開発団体と説明。夢や好奇心から始まる「人を中心とした宇宙開発」を通じて、誰でも、いつでも、好きなように目指すことのできる宇宙開発の実現を目指しているという。メンバーはほぼ全員が他に本業があるサラリーマンであり、仕事の合間を縫って、人工衛星開発や広報活動に取り組んでいると説明する。

 「音楽作曲演奏衛星」であるハモるんのメインミッションは、宇宙空間で取得した星空のデータや衛星周囲の環境情報をもとにAI(人工知能)で自動で作曲し、その楽曲を地上に送信すること。宇宙空間で生成された音楽は、地上にダウンリンクしたのち、専用ウェブサイトで公開される予定。

 1機目となる零号機「RSP-00」は2018年10月6日に、2機目の初号機「RSP-01」は2021年3月14日に、それぞれきぼうから軌道に投入されている(弐号機である「RSP-02」は2025年度に打ち上げ予定。RSP-03は参号機になる)。

 零号機は「宇宙ポスト」として集められた“お願いごと”をデータにして宇宙に届けられ、宇宙ポストで集められたお願いごとを音声とテキストにして地球に送信するというミッションだった。初号機は、零号機と同じ宇宙ポストがミッションだが、メインミッションの「宇宙で自撮り」に成功した。

 SpaceX CRS-33は、米航空宇宙局(NASA)がISSへの物資補給を民間企業に有償で委託する「商業補給サービス(Commercial Resupply Services:CRS)」の第2フェーズ(CRS-2)の一環。

(出典:リーマンサットスペーシズ)
(出典:リーマンサットスペーシズ)

関連情報
リーマンサットスペーシズ プレスリリース(PR TIMES)
ハモるん専用ウェブサイト
ハモるんの作曲プロセス
リーマンサットスペーシズ
SpaceX CRS-33

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