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ブルーオリジン、宇宙輸送機「ブルーリング」にAIセンサー搭載–2026年春打ち上げ予定
米Blue Origin(ブルーオリジン)は軌道領域認識を専門とする米Scout Spaceと提携し、宇宙輸送機「Blue Ring」(ブルーリング)に宇宙領域把握(Space Domain Awareness:SDA)センサー「Owl」を搭載する。米国時間7月24日に発表した。
Blue Ringはモジュール式の衛星バスで、複数のポートで最大13個の貨物(ペイロード)をサポートし、最大4トンのペイロードを搭載可能だ。複数の衛星を同時に搭載してさまざまな軌道に輸送できるというBlue Ringは、衛星をある軌道から別の軌道に移動させることもできる。ラグランジュ点や月周辺空間(シスルナ空間)などの目的地にも対応している。
Owlは稼働中の衛星に加えて、運用が終了した衛星(スペースデブリ)を含む軌道上の物体を長距離から検知、追跡、特性評価するように設計されている。またOwlはAI(人工知能)を活用して、脅威や異常を自律的に識別、分類する。
SDAは、スペースデブリや衛星の軌道などを把握する「宇宙状況把握(Space Situational Awareness:SSA)」を拡張した概念。衛星の意図や能力、衛星の運用を支える地上や海上インフラまで把握することを目指す。

Blue Ringは、1月に初号機が打ち上げられた「New Glenn」(ニューグレン)ロケットで打ち上げられる。2026年春に予定されている初の商業打ち上げでは、OwlがSDAでの国家安全保障上および商業上の利益の達成を目的と説明している。
「この最初のミッションにScout SpaceのOwlを統合することは、SDAの能力を前進させる上で重要な一歩であり、国家のミッション要件を支援するという我々のコミットメントを明確に示すものだ」と、Blue Originの宇宙システム事業部門シニアバイスプレジデントであるPaul Ebertz(ポール・エバーツ)氏は説明している。

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Blue Originプレスリリース
Blue Ring
Space.com
