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ロッキード、宇宙船「オリオン」の商用化を検討–海外宇宙機関の有人飛行を想定

2025.07.25 13:54

塚本直樹

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 米Lockheed Martin(ロッキード・マーティン)は米航空宇宙局(NASA)が主導する月探査計画「Artemis」(アルテミス)で使用される宇宙船「Orion」(オリオン)の「固定価格での商用サービス」の提供を検討している。米メディアAerospace Americaが報じた

 米航空宇宙学会(AIAA)が主催するイベント「ASCEND」に登壇した、 Lockheed Martinの有人宇宙探査担当バイスプレジデントであるKirk Shireman(カーク・シャイアマン)氏は「深宇宙への有人飛行に関心を持つ国は他にも確実に存在する」と語った。「今後のモデルには、『産業界が外国の宇宙機関と契約を結ぶ』形が含まれるだろう」

 Shireman氏によれば、Orionの商用利用に向けて生産量を加速させるとともに、1機あたりのコストを削減する必要があるという。コスト削減策の一環として、Shireman氏は「積極的な再利用性」を目指していると語った。これにより同宇宙船の部品、最終的にはカプセル全体が改修され、再飛行されるとしている。

 NASAは2026年4月に予定されているミッション「Artemis II」(アルテミス2)の打ち上げに向けて、作業を続けている。このミッションでは、NASAの宇宙飛行士3人とカナダ宇宙庁の宇宙飛行士1人が月を周回する。7月31日には、宇宙飛行士たちが宇宙服を着用し、初めて自分たちのOrionに乗り込む「クルー適合テスト」が実施される予定。

月探査計画「Artemis」の第1弾ミッション「Artemis I」で無人で月軌道を周回した後、2022年12月11日に地球に帰還したOrion(出典:NASA / Dames M. Blair)
月探査計画「Artemis」の第1弾ミッション「Artemis I」で無人で月軌道を周回した後、2022年12月11日に地球に帰還したOrion(出典:NASA / Dames M. Blair)

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