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衛星大手マクサー、中東アフリカでの防衛で300億円を契約–AIでの変化検出機能も提供

2025.07.09 16:07

塚本直樹

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 地球観測衛星を運用して衛星画像を販売する米Maxar Intelligenceは米国時間7月9日、中東アフリカ(MEA)地域で防衛・インテリジェンス能力の向上に向け、総額2億470万ドル(約300億円)に上る3つの複数年契約を締結したと発表した。契約先の名前は明かしていない。

 これらの契約は、Maxarの「ダイレクト・アクセス・プログラム」(DAP)を中心に構築される。MEA地域の顧客は、超高解像度の衛星画像、3D地形データ、ほぼリアルタイムでの持続的な分析機能など、衛星コンステレーションや地理空間インテリジェンスに直接アクセスできるようになる。

 Maxarの地理空間インテリジェンスに直接アクセスすることで顧客はより高度な宇宙ベースの「C5ISR」(Command、Control、Communications、Computers、Cyber、Intelligence、Surveillance、Reconnaissance=指揮、統制、通信、コンピュータ、サイバー、諜報、監視、偵察)システムを構築し、マルチドメイン作戦、持続的監視、高度なミッション調整が可能になるという。

 契約にはMaxarの新型予測インテリジェンスシステム「Sentry」(セントリー)の構築に使用されている、AI(人工知能)による変化検出機能へのアクセスも含まれている。これらの技術は、ミッションに関連する活動やパターンを特定し、複数の拠点を同時に監視することを可能にする。

 Maxarで国際政府担当ゼネラルマネージャーを務めるAnders Linder(アンダース・リンダー)氏は、「MEA地域は長らく、技術革新への投資の最前線にある。今回の契約はリアルタイムの意思決定上の優位性を獲得したいという国際的な顧客のニーズをサポートするものだ」と述べている。

同社のコンステレーションは同じ場所の高解像度の衛星画像を1日に何度も、場所によっては1日に15倍も収集できるという。画像は現地時間6月6日午前6時53分に撮影されたサウジアラビア・メッカ。分解能は30cm(出典:Maxar)
同社のコンステレーションは同じ場所の高解像度の衛星画像を1日に何度も、場所によっては1日に15倍も収集できるという。画像は現地時間6月6日午前6時53分に撮影されたサウジアラビア・メッカ。分解能は30cm(出典:Maxar)

関連情報
Maxar Intelligenceプレスリリース

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