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アイザックマン氏、NASA長官として「以前の組織に戻したかった」–5月に指名が撤回
米航空宇宙局(NASA)の長官候補だったJared Isaacman(ジャレッド・アイザックマン)氏は、NASAの外部から科学ミッションを追求することに関心があると発言している。米メディアSpaceNewsが報じた。
Isaacman氏は実業家であると同時に、Space Exploration Technologies(SpaceX、スペースX)のロケットと宇宙船を活用して、民間人宇宙飛行を率いた人物だ。米政権から次期NASA長官に指名されていたものの、突如その指名が撤回された経緯がある。
同氏は民間人宇宙飛行計画「Polaris」(ポラリス)の第1弾ミッションである「Polaris Dawn」(ポラリス・ドーン)に資金を提供し、史上初となる民間人による船外活動(EVA)に自ら挑戦し、成功させた(これは「スタンドアップEVA」と呼ばれている)。Polaris Dawnの取り組みで米国宇宙協会(National Space Society:NSS)の「ヴェルナー・フォン・ブラウン記念賞」が同氏に贈られた。
NSSが主催した国際宇宙開発会議(International Space Development Conference:ISDC)での授賞式に登壇したIsaacman氏は、NASA長官として最もやりたかったのは「『ほぼ不可能』なことを成し遂げる状態に組織を戻すこと」だと語った。これには火星の有人探査と、それに向けた、核エネルギーを電気エネルギーに変換して電気推進を作動させる「原子力電気推進(Nuclear Electric Propulsion:NEP)」への投資が含まれる。
Isaacman氏が掲げたもう1つの目標は、NASAと学術機関が提携するミッションを推進することだった。「興味深いロボットミッションに資金を提供できるかどうか、見てみたい気持ちがある。実行意欲のあるトップクラスの学術機関に参加してもらうという案が、私の頭の中にある」
Polaris Dawnは、Polarisの第1弾ミッションだった。しかしNASA長官に指名された後、Polarisは保留となっている。彼は宇宙への復帰の可能性に触れ、「これが私の最後の飛行だとは思わないが、それが具体的にどのような形になるかは、まだ定かではない」と語っている。
