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NASA、早期退職を呼び掛け–審議中の次年度予算案、32%の人員削減を求める

2025.06.13 08:30

塚本直樹

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 米航空宇宙局(NASA)は現地時間6月9日、人員の大幅削減を目的とした早期退職を勧めていることを明らかにした。米メディアSpace.comが報じている

 Trump(トランプ)政権はNASAの大幅な予算削減を予定しており、2026年会計年度の予算案では全体で約24%の予算を削減するとともに、職員数も現在の1万7391人から1万1853人と32%削減することを求めている。

 複数の科学探査ミッションの中止も盛り込まれている。これには、月探査計画「Artemis」(アルテミス)に含まれる月周回有人拠点「Gateway」を中止するとともに、Artemisで使用されるロケット「Space Launch System(スペース・ローンチ・システム、SLS)」と有人宇宙船「Orion」(オリオン)の段階的な廃止が含まれている。

 予算案は審議中であり、現段階で決定したものではない。

 職員は7月25日までに早期退職制度のいずれかに参加するかどうかを決める必要がある。そのうちの1つに参加する者は業務を終了し、2026年1月9日まで給与が支払われる可能性が高いとNASAは述べている。

 「職員は離職合意書に署名してから7~14日以内に有給休暇を開始する資格を得る。ほとんどの参加者は2026年1月9日までに雇用が終了する」とNASA広報部門のCheryl Warner(シェリル・ワーナー)氏はメールで明らかにしている。「NASAは、有給休暇の開始日を2026年4月1日まで延期し、同局での雇用を2026年9月30日までに終了することを承認する場合がある」

 Warner氏は「NASAは労働力を合理化し、全体の人員数を削減するための段階的なアプローチを継続している」とメールで説明している。「NASAがその使命を追求する能力を完全に維持しつつ、職員に退職の機会が与えられる。プログラムの対象者は、職員の状況によって異なる」

 NASAのジェット推進研究所(JPL)はテレワークで働く1000人以上に出勤するように通告している。7月20日までに意思を伝える必要があり、職場に復帰しない職員は辞職したものとみなされる。

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Space.com

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