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QPS研究所、小型SAR衛星11号機「ヤマツミ-I」を打ち上げ–初交信に成功
2025.06.12 13:00
QPS研究所(福岡市中央区)が設計、製造する小型の合成開口レーダー(SAR)衛星「QPS-SAR」11号機「ヤマツミ-I」が打ち上げられ、約50分後に衛星分離に成功。分離から約35分後に初交信が成功した。6月12日に発表した。
ヤマツミ-Iは、日本時間6月12日午前0時31分にニュージーランド・マヒア半島の発射場Launch Complex 1からRocket Labのロケット「Electron」でミッション「The Mountain God Guards」として打ち上げられた。

QPS研究所は、収納性が高く、軽量な大型の展開式アンテナを開発、そのアンテナで強い電波を出すことが可能になり、既存のSAR衛星と比較して質量が20分の1、コストが100分の1というQPS-SARの開発に成功している。
QPS-SARは、民間SAR衛星では世界トップレベルとする46cm分解能の画像取得が可能。2028年5月末までに24機、最終的には36機の衛星コンステレーションで平均10分ごとという準リアルタイム観測データ提供サービスを目指している。
QPS-SARプロジェクトでは、衛星に日本神話の神様の名前をつけている。1号機「イザナギ」、2号機「イザナミ」のあとの商用機3号機以降は軌道ごとに名前を付けている。12の軌道に3つずつの衛星を投入し、合計36機の衛星コンステレーションを構築しようとしている。
今回の11号機は新しい傾斜軌道に投入されることから、新しく「ヤマツミ」と名付けられた。ヤマツミは、日本の国土のおよそ4分の3を占める山地を守護する重要な神様といわれている。
