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中国Space Epoch、民間ロケットの打ち上げと軟着水に成功–ステンレス製で再利用可能

2025.05.30 17:35

塚本直樹

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 中国ロケットスタートアップの「箭元科技(Space Epoch、Sepoch)」は現地時間5月29日、ロケットの離陸と軟着水に成功した。

 同社の試験機「元行者1号(Yuanxingzhe-1:YXZ-1)」は、中国東部の山東省の海陽宇宙港から打ち上げられた。YXZ-1は発射台から垂直に上昇し、高度約2.5kmでエンジンを停止。その後の自由落下中にエンジンが再点火され、海上にゆっくり軟着水することに成功した。

(出典:Andrew Jones氏公式Xアカウント投稿)

 Space Epochによれば、YXZ-1の本体は薄いステンレス鋼製で、直径4.2m、全長26.8m、重量約57トン。本体には民間企業「九州雲箭(Jiuzhou Yunjian:JZYJ)」が提供するメタン・液体酸素エンジン「龍雲(Longyun)」を搭載している。

 今回の試験打ち上げで年内に予定されているYXZ-1(Hiker-1)の初の完全飛行に向けた基盤が築かれたと同社は述べている。Hiker-1は再使用可能なロケットとして設計されており、最大10トンのペイロードを地球低軌道(LEO)に投入できる。

 Space EpochはAlibaba(アリババ)傘下の大手ECプラットフォーム「淘宝(Taobao)」と提携し、ロケットを使った高速配送の可能性を共同研究している。昨年には、衛星通信事業者「十方星鏈(Shifang Xinglian)」と戦略的パートナーシップを締結し、地球中軌道(MEO)での衛星コンステレーションの構築を進めている

(出典:Space Epoch)
(出典:Space Epoch)

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Space Epoch発表(微信=WeChat)
Andrew Jones氏公式Xアカウント投稿
SpaceNews

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