ニュース

ロケットラボ、軍事衛星向けセンサー開発のGeostを買収–軍事向け契約に競争力

2025.05.28 16:26

塚本直樹

facebook X(旧Twitter) line

 Rocket Lab(ロケットラボ)は米国時間5月27日、米軍衛星向けに光学・赤外線(EO/IR)センサーを製造しているGeost(ジオスト)を買収すると発表した。

 この買収でRocket Labはミサイル警戒システムや宇宙監視に使用されるセンサー技術を手に入れ、米国防総省との契約に向けた競争力を高めることができる。特に米宇宙軍傘下の宇宙開発庁(SDA)が計画している軍事用低軌道衛星コンステレーション「分散型戦闘宇宙アーキテクチャ(Proliferated Warfighter Space Architecture:PWSA)」や米政権が構想するミサイル防衛システム「Golden Dome(ゴールデンドーム)」といった次世代軍事衛星契約への競争に参入する。

 Rocket Labはすでに、SDAがPWSAとして進めている18機のデータ中継衛星の製造と運用で5億1500万ドル(約743億円)の契約を受注している。今後PWSAの一環としてSDAから発注される、ミサイル発射を探知、追尾する衛星の契約でもGeostの買収が有利に働くとみられている。

 Rocket Labの最高経営責任者(CEO)であるPeter Beck(ピーター・ベック)氏は「Geostの買収は、国防総省に必要であり重要な技術やペイロードをもたらす」と述べている。

 Rocket Labは現金1億2500万ドル(約180億円)と株式1億5000万ドル(約216億円)、2026年と2027年の収益目標に応じて最大5000万ドル(約72億円)の追加の現金支払いで、プライベートエクイティ企業のATL PartnersからGeostを取得する。

(出典:Rocket Lab)
(出典:Rocket Lab)

関連情報
Rocket Labプレスリリース
SpaceNews

Related Articles