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インフォステラ、防衛省と技術実証–「宇宙領域把握」強化で電波の特徴を分析
2025.05.26 09:00
地上局のシェアリングサービス(Ground Segment as a Service:GSaaS)を展開するインフォステラ(東京都新宿区)は防衛省が公募した「衛星周波数解析技術の実証」案件を契約した。「スタートアップ技術提案評価方式」に基づく調達案件として全省庁で最初に契約された事例になるという。5月23日に発表した。
通信や測位などの衛星は、生活の基盤そのものであると同時に軍事作戦上の指揮統制や情報収集基盤の中枢となっていると同社は説明。しかし、一部の国が他国の衛星を無力化する兵器や手段の開発、運用を進めており、宇宙の安定利用に対する脅威は年々増加していると説明する。
不審な衛星の能力や動向を含めて宇宙の状況を把握する必要があり、国家防衛戦略や宇宙安全保障構想でも「宇宙領域把握(Space Domain Awareness:SDA)」能力を強化することが必要とされるようになっている。インフォステラの実証事業では、SDA能力向上のために衛星の電波の特徴を分析して、データベースを構築するために必要な技術を実証する。
SDAは、宇宙ゴミ(スペースデブリ)や衛星の軌道などを把握する「宇宙状況把握(Space Situational Awareness:SSA)」を拡張した概念。衛星の意図や能力、衛星の運用を支える地上や海上インフラまで把握することを目指す。
インフォステラは2018年に衛星通信向け地上局プラットフォーム「StellarStation」を商用で展開している。以降、衛星通信の地上セグメント分野で先進的な技術を開発するとともにグローバルにサービスを提供してきた。StellarStationは、世界中の地上局ネットワークに衛星事業者が共通のインターフェースを通じてアクセスできるプラットフォーム。
インフォステラは、StellarStationを通じて多様な衛星と地上局の運用や管理で豊富な実績があると説明。これらの実績と独自の技術力が評価され、今回の防衛省の案件でスタートアップ技術提案評価方式に基づく全省庁初の契約に至ったと説明する。
スタートアップ技術提案評価方式は、政府の行政課題に対してスタートアップ企業が持つ高度かつ独自の技術を活用し、イノベーションを促進するために導入された新しい調達方式という。この方式は、官民連携の強化と、従来の調達方式では得られなかった革新的な解決策の導入を目的としている。

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