
ニュース
衛星向け太陽電池セル製造の米スタートアップ、24億円を調達–三菱電機系CVCも出資
2025.05.22 14:30
衛星向け太陽電池セルを開発、製造している米スタートアップ企業SolestialはシリーズAラウンドとして1700万ドル(約24億円)を調達した。三菱電機とグローバル・ブレインが共同で運営するコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)ファンド「MEイノベーションファンド」が出資する第10号案件となった。5月22日に発表された。
衛星の小型化や低価格化が進み、地球低軌道(LEO)のコンステレーション構築が拡大している。打ち上げ数の急激な増加に伴って、衛星のキーパーツである太陽電池セルの供給が追い付かないと懸念されている。
Solestialは、物性の異なる半導体材料を接合して製造する「シリコンヘテロ接合」技術を活用した宇宙向け太陽電池セルを開発、製造している。従来品と比べて高い放射線耐性があるほか短納期、軽量などの強みがあるという。
Solestialは2013年に地上用シリコン太陽電池の技術を開発するRegher Solarとして設立された。2018年に宇宙での太陽電池モジュールの需要と供給能力に乖離があることを知った同社は、2022年に宇宙向け太陽光発電モジュールを開発、製造する企業としてSolestialに社名を変更した。
今回のシリーズAラウンドはAE Venturesが主導した。
今回の資金調達にあわせて、Solestialの最高経営責任者(CEO)にMargo de Naray(マーゴ・デ=ナレイ)氏が就任した。同氏は、米Astra Spaceの宇宙製品・サービス担当シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーを務めており、成長企業やハイテク企業で20年にわたる経験があるという。Solestialの共同創業者でこれまでCEOを務めていたStanislau Herasimenka(スタニスラウ・ヘラシメンカ)氏は最高技術責任者(CTO)に就任した。
