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オーストラリア初の国産ロケット「エリス」、初打ち上げは機体の問題で延期
豪企業のGilmour Space Technologies(ギルモア・スペース・テクノロジーズ)は現地時間5月15日、「Eris」(エリス)ロケットの初打ち上げを延期すると発表した。Erisはオーストラリア初の国産ロケット。
高さ25mの3段式ロケットであるErisは、ハイブリッド推進システムを採用。最大215kgの貨物(ペイロード)を高度500kmの太陽同期軌道(SSO)に投入できる。Rocket Labの小型ロケット「Electron」はSSOに150kgを打ち上げられ、ErisとElectronは同じクラスの性能と言える。
Erisにとって初めての試験飛行「TestFlight 1」はオーストラリアの民間航空安全庁(CASA)の認証を受けている。
打ち上げ中止はペイロードフェアリングの問題が原因だという。「昨夜の最終チェック中に、予期せぬ問題がペイロードフェアリングで発生した。燃料は積まれておらず、負傷者はいない。初期検査では、ロケットや発射台に損傷は見られなかった」と同社はX(旧Twitter)で明かした。
「完全な調査の後、ゴールドコーストの工場から交換用のフェアリングを送る。TestFlight1の新たな日程は、準備が整い次第発表される」(同社Xアカウント投稿)
「発射台から離陸できるか、最大動圧点(マックスQ)に達するか、あるいは宇宙まで到達できるかにかかわらず、重要なのはロケットの信頼性と性能を向上させる、貴重なデータを提供することだ」と同社は以前に述べている。
Gilmour兄弟が設立した同社は、2015年にロケット開発を開始。Erisは北東部のクイーンズランド州北部の自社施設である「Bowen Orbital Spaceport」から打ち上げる。

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Gilmour Space Xアカウント投稿
Gilmour Spaceプレスリリース(2025年5月16日)
Gilmour Spaceプレスリリース(2025年2月24日)
Space.com