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菊正宗、宇宙で日本酒づくり–微小重力環境での発酵を研究、IDDKと協働
2025.05.09 13:15
IDDK(東京都江東区)と日本酒大手の菊正宗酒造(神戸市東灘区)は宇宙環境を利用した日本酒づくりに協働して取り組むことで基本合意書を4月30日に締結した。5月9日に発表した。
今回の取り組みは、IDDKが提供する宇宙環境下でのバイオ実験プラットフォームと、菊正宗酒造の醸造技術を融合させて、微小重力や宇宙放射線などの特殊な環境下での宇宙醸造のあり方を研究し、醗酵(醸造)技術や米麹づくり、伝統的な微生物の共生環境、新規酵母育種などについて科学的に探究することが目的。
両社は今後、IDDKが構築中の宇宙バイオ実験プラットフォームで提供する2026年からの商業サービスを活用して、酵母や麹菌などの微生物の宇宙輸送・保管・培養、宇宙環境での発酵挙動の解析を進めていく。将来的には「宇宙由来の日本酒」の開発と社会実装を見据えているという。
宇宙での日本酒づくりでは、日本酒「獺祭(だっさい)」の蔵元である旭酒造(山口県岩国市)が、2025年後半に酒米やこうじ、酵母、水を打ち上げて国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」で発酵させて、2026年中に地球に持ち帰るという計画を進めている。
