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ホワイトハウス、NASA次期副長官に退役空軍将校を指名–宇宙業界を驚かせる
ホワイトハウスは元空軍将校のMatthew Anderson(マシュー・アンダーソン)氏を米航空宇宙局(NASA)副長官に指名した。米国時間5月6日に米連邦議会上院に送付した。
Anderson氏は米空軍で24年間勤務し、2021年に大佐で退役。キャリアの中ではパイロットや教官として勤務し、米輸送軍の上級連絡将校として、北米航空宇宙防衛司令部(NORth american Aerospace Defense command:NORAD)、北方軍(United States NORTHern COMmand:USNORTHCOM)、宇宙コマンド(United States SPACE COMmand:USSPACECOM)との連絡役を務めた。
空軍退役後は、防衛請負企業のCACI Internationalでバイスプレジデントを務め、空軍や宇宙軍のクライアント責任者として活動。その後も、米宇宙軍を擁護する非営利団体の宇宙軍協会(Space Force Association:SFA)でさまざまな役職に就き、直近ではSFAの最高成長責任者(Chief Growth Officer:CGO)を務めている。

米連邦議会の上院の小委員会である商業・科学・運輸委員会は、Jared Isaacman氏のNASA長官承認を本会議に進める決議を採択した。米メディアSpaceNewsによると、Anderson氏の副長官指名は、宇宙業界関係者を驚かせているという。
宇宙業界は、Anderson氏が空軍や産業界に在籍し、国家安全保障宇宙分野での経験を積んでいるが、NASAとの関わりは限られていると指摘した。宇宙業界は、NASAでの経験がほとんどないIsaacman氏を補うために、政権はNASA内部、あるいは、NASAとより幅広く協力した人物が指名されると思っていたからだ。
2024年12月に次期長官に指名されたIsaacman氏は同じ月にSFAが主催するイベント「Spacepower Conference 2024」に登壇した。その相手役を務めていたのがAnderson氏だった。
NASAの現在のトップである長官代行のJanet Petro(ジャネット・ペトロ)氏は「(Anderson氏がNASA副長官に)承認されれば、大統領から長官に指名されたIsaacman氏とともに分野を横断した協力を強化し、NASAの探査を前進させ、国民に奉仕し、すべての人々の利益のために成果を出すことに貢献するだろう」と述べている。

関連情報
連邦議会上院
NASAプレスリリース
SFAプレスリリース
Spacepower Conference 2024動画
SpaceNews