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ロッキード・マーティン、アルテミス2のオリオン宇宙船をNASAに引き渡し

2025.05.05 08:30

塚本直樹

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 米Lockheed Martin(ロッキード・マーティン)は5月1日、月探査ミッション「Artemis II」(アルテミス2)で使用される「Orion」(オリオン)宇宙船を米航空宇宙局(NASA)に引き渡した。

 Artemis IIはNASAとカナダ宇宙庁(CSA)の4人の宇宙飛行士を搭乗させ、10日間かけて月を周回するミッションだ。これは1972年の「Apollo 17」(アポロ17)以来で初となる、地球低軌道を超える有人軌道となる。打ち上げは、2026年4月までに実施される予定だ。

 NASAはケネディ宇宙センターでOrionを受け取り、宇宙船はNASAの地上支援プログラム「EGS(Exploration Ground Systems)」の管理下に置かれる。今後は推進剤や水、酸素などの消耗品を充填し、打ち上げ中止システムを取り付け、組立中の「Space Launch System(SLS)」ロケットと統合するための組立棟(VAB)へと移される。

 Artemis 2の打ち上げは当初は2024年末が予定されていたが、最初の無人ミッション「Artemis I」(アルテミス1)で発生した耐熱シールドの浸食問題の調査のため、延期されていた。Artemis 2ではこのままの耐熱シールドを使用し、次の「Artemis III」(アルテミス3)からは改良された「Avcoat」素材に切り替える。

 トランプ政権は2026年度のNASA予算案で、OrionとSLSを3回の飛行をもって、段階的に廃止すると発表している。今後は、より費用対効果の高い商業打ち上げシステムへと移行する予定だ。

出典:Lockheed Martin

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ロッキード・マーティンのプレスリリース

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