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ソフトバンクの高精度GNSSデータを防災などに活用、研究コンソーシアム設立
2022.08.30 14:10
東北大学大学院理学研究科は、ソフトバンクとALESから提供される高精度な測位データを防災や各種研究に利用するための組織「ソフトバンク独自基準点データの宇宙地球科学用途利活用コンソーシアム」を設立した。
全国に約1300カ所ある国土地理院の電子基準点で構成される全球測位衛星システム(GNSS)観測網を利用し、さまざまな研究機関が地殻変動データを取得している。こうしたデータは、地震や火山活動といった災害発生の予測につながる可能性がある。
ソフトバンクは全国で3300カ所以上の独自基準点を設けており、子会社のALESとともにセンチメートル級という高い精度の測位サービスを提供中だ。
東北大学大学院理学研究科は、ソフトバンクから得たGNSS観測データの精度検証を実施し、地殻変動を高い精度で把握可能と確認。国土地理院の電子基準点を補完することで防災や減災に貢献できると判断した。そこで、コンソーシアム設立に至った。
同コンソーシアムは、地震や火山活動に関わる地殻変動のほか、対流圏の水蒸気量、電離圏の動態などの研究にも取り組む。対流圏の影響で発生する合成開口レーダー(Synthetic Aperture Radar:SAR)データのノイズを効率的に除去する手法も確立したいとしている。
コンソーシアムには、東北大学大学院理学研究科とソフトバンク、ALESなど国内の2社、12研究機関18部局が参画する。