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将来宇宙輸送システム、液体メタンエンジンの燃焼試験に成功–国内企業で4社目

2025.04.16 15:15

UchuBizスタッフ

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 宇宙往還を可能とする輸送システムの実現を目指す将来宇宙輸送システム(Innovative Space Carrier:ISC、東京都中央区)は4月16日、小型ロケット離着陸試験機「ASCA hopper」ミッションで液体メタンエンジンの燃焼試験に成功したことを発表した。

 ASCA hopperミッションは、ロケットエンジンの燃焼や機体の離着陸、再使用に必要な点検整備という3要素の確認を目指している。ASCA hopperに続く小型衛星打ち上げ機「ASCA 1」、有人宇宙輸送機「ASCA 2」に向けた再使用型ロケットの開発能力を獲得することを目的にしている。

(出典:ISC)
(出典:ISC)

 今回の試験で使用したエンジンは推進剤に液体メタン、酸化剤に液体酸素を使う液体燃料ロケットエンジン。エンジンの性能の確認を目的に、初回の試験を2024年9月に実施したが、着火しなかったため、性能確認に必要なデータを取得できなかった。その後、原因を究明して対策を講じて、2025年3月12~18日に愛知県碧南市で試験を実施。期待する成果を得られたという。

 燃焼試験の結果、着火シーケンス中の推進薬量とバルブの開閉タイミングを変更し、着火可能な条件を確認できたと説明。着火を確認した後で燃焼時間と推力を段階的に引き上げた条件で試験を合計6回実施。燃焼時間8.3秒、推力4.3kN(キロニュートン)を達成できたことを明らかにしている。

 液体メタンエンジンの燃焼試験成功は、公表例として国内で民間企業4社目になる。

メタンの炎色は通常青色だが、燃焼器内の断熱材の影響でオレンジ色となっている(出典:ISC)
メタンの炎色は通常青色だが、燃焼器内の断熱材の影響でオレンジ色となっている(出典:ISC)

関連情報
ISCプレスリリース(PR TIMES)

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