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水道管漏水リスク管理の「宇宙水道局」、発見効率は6倍–調査費用は8割削減
2025.04.16 13:15
水道管漏水リスク管理システム「天地人コンパス 宇宙水道局」を活用する、人口10万~20万人規模の自治体で漏水発見効率6倍、調査費用79%削減が実現したという。提供する天地人(東京都中央区)が4月16日に発表した。
この自治体は2023年度に宇宙水道局を導入。同システムが示した漏水リスクをもとに調査計画を立てて、音調調査を実施すると126カ所の漏水を発見した。
従来の音調調査では10kmあたり平均0.7カ所しか発見できないが、宇宙水道局の技術を併用することで10kmあたり4.2カ所発見できたという。発見効率は6倍に向上したことになる。
コスト面を見ると、従来の調査費用は漏水1カ所あたり約86万円だったが、宇宙水道局の技術で約18万円まで抑えられたという。宇宙水道局の費用と音調調査を含めてコストを79%削減できたと説明する。

上の図にある最も高いリスクを示すE評価エリア(赤いメッシュ)は全体面積の3%だが、実際に発見された漏水の10%(12カ所)を占めている。次に高リスクのD評価エリア(オレンジのメッシュ)は全体面積の17%から全漏水の30%(38カ所)が発見された。
つまり、EとDをあわせた、全体面積の20%から全漏水の40%(50カ所)という高い割合の漏水が特定されたことになる。この結果について天地人は、漏水リスク診断の有効性を明確に示しており、特にEのエリアを最優先に調査することで限られた資源で最大の効果を得られるとしている。

世界各国500機以上の人工衛星が観測したデータやオープンデータをもとにウェブベースの地理情報システム(GIS)「天地人コンパス」がベースとなっている宇宙水道局は、約100m2メッシュの単位で漏水リスクを5段階で診断。管路ごとのリスクを診断する「管路単位のリスク診断」を組みあわせることで水道インフラの状態をより細かく把握して、より効率的に維持管理できるのが特徴。累計の契約自治体の数は30を突破している。