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ウェザーニューズ、災害時に活躍するドローンやヘリコプターの運航安全管理システムを開発へ
2025.04.04 08:00
ウェザーニューズは「経済安全保障重要技術育成プログラム」(Kプログラム)の研究開発ビジョン(第1次)で課題設定された「災害・緊急時等に活用可能な小型無人機を含めた運航安全管理技術」に宇宙航空研究開発機構(JAXA)などと共同で応募、採択された。4月3日に発表した。
Kプログラムでは、災害時や緊急時に人命救助や被害確認などの初動対応の効率化や高度化に向けて、ヘリポートなどの限られた場所から展開するヘリコプターだけでは限界があり、小型無人機(ドローン)への期待が大きくなっていると説明する。
一方でヘリコプターとドローンの間で運航安全管理技術は確立されておらず、安全確保の観点からヘリコプターとドローンが同じ空域を飛ぶことができない。災害時や緊急時に求められる、長距離飛行可能な航続性能と高機動性がある垂直離着陸性能を両立した機体技術も確立されていないと指摘する。
そこで、Kプログラムでは(1)ヘリコプターとドローン、拠点の間での運航安全管理技術・情報通信技術、(2)長時間・長距離などの飛行や悪天候に対応できるドローン関連技術――を開発することを求めている。
こうした課題に対応するため、ウェザーニューズは2025年度末までに「AIリスクアラートシステム」「低高度航空気象観測システム」「低高度4次元高精細気象予測運用化技術」の実用化を目指し、災害発生時や緊急時に活動するドローンやヘリコプターの安全な運航に必要な新しい航空気象システムを開発する。
航空気象データをAPIとして提供し、JAXAなどが開発する運航安全管理システムに連携させる。航空事業者やドローン事業者専用のウェブサイトでの提供も予定している。
AIリスクアラートシステムでは、発生する場所や時間が特定しにくい、ゲリラ雷雨を含むさまざまな気象条件下でも安全に運航できるよう、予測の時間的、空間的なズレをAI(人工知能)技術で補正する技術を開発して、飛行ルート上の気象リスクを自動判定して通知するシステムを開発する。常用飛行ルート上の気象リスクを自動で予測し、最も安全な航路を推薦するシステムも開発する予定。
低高度航空気象観測システムは、上空150m以下でホバリングするドローンの姿勢制御データから風による揺れの影響を解析するシステム。ドローンに搭載する貨物(ペイロード)への影響を最小化する考え。災害時は人間が立ち入れない隔離地域、既設の気象観測機では把握しきれない上空の詳細な気象情報を把握する必要があるが、すべてのドローンに気象観測機を搭載されているわけではないという。
低高度4次元高精細気象予測運用化技術は、ビルなどの3次元構造を考慮した5m四方の細かさで都市部の風をタイムリーに予測するというもの。低高度を飛行するドローンは、構造物の影響や地形の影響で発生する乱流で安全が脅かされる場合があることを踏まえている。
現在、同社が運用している5mメッシュの超高解像度モデル(都市気象予測モデル)をベースに、日本のどこで災害が発生しても24時間内に高精細に予報を提供できるように、従来よりも計算する時間や費用を減らす運用技術を東京科学大学や筑波大学と共同で開発する。
Kプログラムの運航安全管理技術には、JAXAやウェザーニューズ、筑波大学、東京科学大学のほかにNTTデータ、情報通信研究機構(NICT)、Terra Drone、NEC、メトロウェザーが共同で応募した。
研究開発では、災害時や緊急時に中心的に対応する公的機関で運用することを想定して、無人機も含めた指揮運用が可能となる運航安全管理システムを開発する。災害時や緊急時に想定される運用での有効性を実証する。
