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米宇宙軍、軌道上での衛星燃料補給技術を試験へ–ノースロップ・グラマンなどが開発
米宇宙軍は、軌道上での衛星燃料補給技術を試験する一連の実験を準備している。海外メディアのSpaceNewsが報じている。
この計画は「Tetra-5」「Tetra-6」と呼ばれ、Astroscale(アストロスケール、日本企業の米法人)、Northrop Grumman(ノースロップ・グラマン)、Orbit Fab(オービットファブ)といった企業が開発する燃料補給ハードウェアを評価する。
Tetra-5では小型衛星2機を軌道上に展開し、Orbit Fabが開発した燃料補給ポート「Rapidly Attachable Fluid Transfer Interface(RAFTI)」を試験する。RAFTIは、軌道上での推進剤移送を可能にする特殊なバルブである。
Tetra-6では、Northrop Grummanが国防イノベーションユニット(DIU)と共同開発した「Passive Refueling Module(PRM)」を試験する。このミッションでは、PRMインターフェースを搭載した衛星を軌道上に展開し、同社の「ROOSTER-5(Rapid On-orbit Space Technology Evaluation Ring)」燃料タンク衛星とのドッキングを試みる。
米宇宙システム軍団(Space Systems Command:SSC)はRAFTIとPRMという燃料を補給する仕組みについて「燃料補給のための許容できる商業的解決策」と説明している。
これらのプログラムは2022年に1回の実験として計画され、2025年に4450万ドル(約67億円)の予算で実施される予定だった。しかし、その後に2つの独立したミッションに分割され、Tetra-5は2026年、Tetra-6は2027年に実施されることとなった。
衛星への燃料補給は「軌道上サービス」と呼ばれる分野に含まれる。宇宙ゴミ(スペースデブリ)の除去やミッションが終了した衛星をほかの企業や行政機関が使用する「中古衛星」での点検や機器交換なども軌道上サービスに含まれる。
こうした軌道上サービスは、従来の衛星の開発や運用のあり方を一変させるものとして注目されている。Orbit Fabは衛星への燃料補給でAstroscaleや日本のispaceなどと契約している。

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