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アークエッジ・スペース、MUFGや清水建設と覚書–リモートセンシングでの協業体制を構築
2025.04.01 11:00
アークエッジ・スペースは3月31日、三菱UFJ銀行(MUFG)や清水建設とリモートセンシング事業での協業体制構築に向けた覚書を締結したことを発表した。衛星データを活用した新事業の創出とアプリケーション開発を進める。
アークエッジ・スペースはハイパースペクトルカメラを搭載した地球観測衛星、船舶向けの「VHFデータ交換システム(VHF Data Exchange System:VDES)」通信衛星の開発やコンステレーションの構築を進めている。気候変動対策、陸域や海域の状況把握、海洋デジタル化の推進など地球規模の課題解決などに貢献することを目指している。
同社はまた、衛星データをはじめとする地理空間情報やIoTデータを統合し、自然環境の変化やそのリスクを検出、分析する「地理空間情報プラットフォーム」も開発している。同プラットフォームは、多様なデータを自動的に収集、処理、解析し、感覚的に操作可能なユーザーインターフェース(UI)を提供することで、ユーザーにとって必要な情報を可視化できるという。
高度なウェブ技術やAI(人工知能)技術を応用することで専門知識を持たないユーザーでも、これらのデータを容易に活用できる仕組みを提供すると説明。ビジネスでの自然資本に関するリスクや機会の適切な評価や開示、自然資本の保全活動への効果的な活用を目指している。
こうした技術は日本国内だけではなく、グローバルサウスなどの海外でも農業や水資源管理、気候変動モニタリング、災害対応、海洋モニタリング、温室効果ガス(GHG)モニタリングといった幅広い分野で実証実験や事業化を進めているという。
アークエッジ・スペースは、MUFGや清水建設をはじめとするパートナー企業と連携してGHGモニタリングの実証を進めてきている。今後、さらに衛星データを活用することでGHGの削減量や排出量、吸収量を可視化できると説明する。
これまでの実証では、船舶燃料をアンモニアに代替した際の二酸化炭素(CO2)の排出量の相関を地上設置カメラでモニタリングし、代替量に応じたCO2削減量を客観的に測量したと説明。この取り組みにより、海運事業者の負担軽減を目指している。
また、EU排出量取引制度(EU-ETS)の課税が開始された海運業界では、衛星データは、排出量の算定作業を効率化するとともに、データの客観性を担保することで正確な排出量の申告を支援する。