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ElevationSpace、南相馬市の工場稼働–年間複数の衛星製造に対応
2025.03.27 13:45
東北大学発スタートアップElevationSpace(仙台市青葉区)は3月27日、三菱倉庫のインキュベーション施設「MLC SPACE LAB」(福島県南相馬市)に工場を開設し、稼働を開始したことを発表した。

3月3日から稼働が開始した福島工場は、同社が開発する宇宙環境利用・回収プラットフォーム「ELS-R」と「ELS-RS」の量産体制構築が目的。2026年後半に予定されている、ELS-Rの技術実証機「あおば」の打ち上げに向けた開発を加速させるために設置したという。

同工場には、組み立て設備と環境試験設備を導入し、小型再突入カプセルを搭載した衛星の量産に必要な製造能力を確保しているという。年間複数機を製造し、増加する宇宙環境利用ニーズにも対応が可能と説明。福島県からの支援も受け、地域経済への貢献も目指すとしている。
「ELS-R100」シリーズの初号機であるあおばは、ドイツのIsar Aerospace(イーザー・エアロスペース)が開発するロケットで打ち上げる予定。
ElevationSpaceが進めているELS-Rは、運用が終了する国際宇宙ステーション(ISS)の2030年以後を見据えて、顧客企業から預かった貨物(ペイロード)を搭載し、ロケットで打ち上げ。地球低軌道(LEO)上でオペレーション実施後、大気圏を燃え尽きずに通過して、回収カプセルが地球に帰還し、最終的にペイロードを顧客企業に返却するというサービス。
