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鳥取砂丘の月面実証フィールド「ルナテラス」、探査車の技術を競う大会が開催
2025.03.24 17:00
鳥取砂丘の月面を摸した実証フィールド「ルナテラス」で探査車(ローバー)の技術を競う「鳥取ローバーチャレンジ2025」が3月23日に開催された。全国の大学や高等専門学校、技術系高校の学生で構成されるチームが参加できる、全国初というローバーの学生全国大会。
「鳥取砂丘から月へ! 未来の探査技術を切り拓け!」をコンセプトに、学生にロボティクスと宇宙探査技術の実践的な学習の機会を提供し、競技や交流を通じて創造性や技術力を育成することを目的と説明している。学生向けのローバーの開発体験を提供する大会として将来的な宇宙開発や探査ミッションに参加する技術者や研究者のための登竜門になることを目指しているという。
大会は初心者向けの「エントリー」部門と高度な技術を競う「エキスパート」部門で構成され、計8チームが出場した。エントリー部門には鳥取大学の宇宙開発研究会「T-SAT」など5チームが参加。エキスパート部門には、大学生を対象とした世界最高峰のロボット工学コンテストとされている「University Rover Challenge(URC)」に日本チームとして2024年に初出場した、国際ローバー開発プロジェクト「KARURA」なども参加した。
競技では、砂丘を月面に見立てて、学生たちが開発したローバーを走らせて障害物を避けながら走行距離を争う「自律走行」、岩石のサンプルを採取して分析する「科学探査」、測量や資材運搬などを行う「無人建設」などのミッションがあり、設定されたミッションをどれだけ達成できるかを競った。
優勝はエントリー部門が東京情報大学のSuperNOVA、エキスパート部門が東北大学や慶應義塾大学などで構成されるARES Project。
鳥取県は県庁内に「産業未来創造課」を2021年度に新設して、宇宙関連産業を地域の未来を担う新産業の一つに位置づけ、2022年4月から「鳥取砂丘月面化プロジェクト」に取り組んでいる。2030年に向けての産業創出のロードマップを2023年6月に発表し、2023年7月に月の環境を模した実証フィールドとしてルナテラスが完成した。
