amulapo、月面開発の研究支援サービス開始--デジタルとアナログの両方を活用

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amulapo、月面開発の研究支援サービス開始–デジタルとアナログの両方を活用

2024.01.11 08:30

UchuBizスタッフ

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 amulapo(東京都新宿区)は1月10日、月面開発を加速させるための月面模擬環境「デジタルツイン-アナログツイン」構想を発表した。

 amulapoは、2020年から月などの衛星データからの3次元幾何学情報を用いた惑星の仮想空間化や研究開発利用を進めており、2023年には鳥取県と連携し、地上の月面模擬環境となるフィールドの活用も開始した。

 同社の代表取締役である田中克明氏は、月面での宇宙機開発のエンジニアとして活動してきた経緯から、今後の月面での宇宙機開発には衛星データなどの実データの利用、仮想現実や拡張現実(VR/AR)などの3次元デジタル技術が有効であると考え、月面模擬環境としてのデジタルツインを目指した研究開発の手法の検討を進めてきたという。

 一方で、月面での物理挙動の予測のためには、単なるデジタルによる疑似環境の構築だけでなく、そのモデルや物理理論を構成するための、アナログとなる模擬環境の構築も重要になると考え、これまで研究室内での実験環境の設計、制作から、屋外での実験環境の構築の設計などに携わり、アナログツインを目指した研究開発手法についても検討を進めてきたとしている。

 2022年度からは鳥取県と連携し、国内初となる屋外での月面模擬実証フィールド「ルナテラス」の造成に関わり、鳥取県の事業である「鳥取砂丘月面化プロジェクト」で鳥取砂丘の3次元幾何学情報を取得、テラメカニクスなどの分野に利用される土壌の力学情報も取得している。

 ルナテラスでは、これまで複数の宇宙関係機関の実証実験を支援するとともに、連携する事業者と実証実験を進めるなどアナログツインでの実験ノウハウも蓄積してきたと解説する。

 今後は、デジタルツインとアナログツインで情報を連携させ、統合的に利用していくことが月面開発を加速させる鍵になると確信するとしている。

 これらの要素技術の構築や設計、制作、実験のノウハウが蓄積されてきたことを受け、amulapoで月面開発を加速させるためのトータルサポートが提供できる体制を整えたことから本格的に研究支援サービスを開始したと解説する。摸擬環境を利用した月面での挙動予測に関心のある研究者や個人に利用を呼び掛けている。

 同社は、2023年12月6~10日に倉敷市と鳥取市で開催された国際団体Moon Village Associationが主催する「7th Global Moon Village Workshop & Symposium」、2023年10月17~20日に富山市で開催された学術会議「第67回宇宙科学技術連合講演会」でデジタルツイン、アナログツインの構想を発表したという。

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amulapoプレスリリース(PR TIMES)

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