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NEC、光通信衛星コンステレーションに向けて新組織–光ルーターの基盤技術を開発

2025.03.21 08:00

UchuBizスタッフ

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 NECは光通信衛星コンステレーション構築に向けたシステム実証と光ルーター基盤技術開発を開始。4月1日付で新組織「衛星コンステレーション統括部」を設置する。3月19日に発表した。

 同社は宇宙航空研究開発機構(JAXA)の「宇宙戦略基金」で「宇宙光通信ネットワーク実現に必要となる光ルータ基盤技術開発」と「光通信衛星コンステレーション構築及びシステム実証に係る技術開発」に採択され、補助金の交付が決定している。

 光通信衛星コンステレーションによる通信網で光通信端末は物理的な帯域幅を提供し、ルーターは相互接続性や高速性、安定性などの通信品質を決定付けることになるという。

 宇宙戦略基金に採択されたことでNECは、すでに開発を進めている衛星間の光通信技術に加え、5Gの技術開発を通じて培った知見を生かして、宇宙での光通信網を支える光ルーター基盤技術の開発に取り組む。

 2026年度末までに必要な技術開発を完了させ、2027年度末までに必要な技術の地上実証を実施する。光ルーター基盤技術を含む、宇宙での光通信網機能を搭載した低軌道衛星を2029年度末までに複数打ち上げ、通信衛星コンステレーションによるネットワークシステムを軌道上で実証することを目指すとしている。

 NECが設計、製造した「衛星間光通信システム」(Laser Utilizing Communication System:LUCAS)は光データ中継衛星(データ中継衛星1号機:JDRS-1)に搭載。JDRS-1と先進レーダー衛星「だいち4号」(ALOS-4)の間で通信速度1.8Gbpsの衛星間光通信に成功している。だいち4号は、LUCASで静止軌道を周回するJDRS-1を経由して観測データを地上局に伝送することにも成功した

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NECプレスリリース

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