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ElevationSpace、初号機「あおば」をドイツ企業のロケットで打ち上げ

2025.03.04 15:30

UchuBizスタッフ

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 東北大学発スタートアップElevationSpace(仙台市青葉区)は3月4日、開発する宇宙環境利用・回収プラットフォーム「ELS-R100」シリーズの初号機「あおば」をドイツのIsar Aerospace(イーザー・エアロスペース)が開発するロケットで打ち上げると発表した。

 Isarは2018年にドイツ・ミュンヘン近郊で設立。現在、地球低軌道(LEO)に1000kgの貨物(ペイロード)を投入できる2段式ロケット「Spectrum」を開発しており、すでにAirbus Defence and Spaceをはじめとする在欧企業から打ち上げ契約を獲得しているという。Isarは2024年6月にシリーズCの延長ラウンドを実施、累計資金調達金額は欧州民間宇宙企業最大で4億ユーロ(625億円)を超えているとしている。

 同社はノルウェー北部アン島に開設された宇宙港「Andoya Spaceport」からの打ち上げを目指しており、同地でSpectrumの静的燃焼試験を完了していると説明。現在はノルウェー民間航空局の承認と打ち上げライセンス取得の後、最初の試験飛行に向けた最終準備を開始しているという。

Spectrum(提供:ElevationSpace)
Spectrum(提供:ElevationSpace)

 ElevationSpaceによると、Isarのロケットは目指す軌道にペイロードを直接投入可能なことに加え、柔軟な打ち上げスケジュールを選択できるという。実際にロケットの開発現場を視察して、高度に自動化され、垂直統合された生産アプローチによる高い技術力と信頼性を確信したことで同社と契約したと説明している。

 ElevationSpaceが進めているELS-Rは、運用が終了する国際宇宙ステーション(ISS)の2030年以後を見据えて、顧客企業から預かったペイロードを搭載し、ロケットで打ち上げ。LEO上でオペレーション実施後、大気圏を燃え尽きずに通過して、回収カプセルが地球に帰還し、最終的にペイロードを顧客企業に返却するというサービスになる。

(提供:ElevationSpace)
(提供:ElevationSpace)

関連情報
ElevationSpaceプレスリリース(PR TIMES)

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