ニュース

米連邦航空局(FAA)、航空管制システムの改善に向けてスペースXと意見交換–司令センターに招待

2025.02.18 13:48

塚本直樹田中好伸(編集部)

facebook X(旧Twitter) line

 米運輸長官のSean Duffy(ショーン・ダフィー)氏は2月16日、米連邦航空局(FAA)の航空管制システムの改善に向けて、Space Exploration Technologies(SpaceX、スペースX)を招待したことを明らかにした。

 FAAはSpaceXによるロケット打ち上げを監督しているが、両者の関係は時に摩擦を生んでいる。特に空域の使用に関する問題が浮上しており、1月16日に実施された次世代ロケット「Starship」(スターシップ)の打ち上げでは、数十便の航空機が進路変更や遅延を余儀なくされた。

 「明日(2月17日)、Elon Musk(イーロン・マスク)氏が率いるSpaceXのチームが、バージニア州の航空管制システムの司令センターを訪問する。現在のシステムを直接見学し、航空官制が現在のツールに関して好んでいる点や不満を学び、より新しく安全で効率的なシステムの構築について、構想を練る機会となるだろう」と、Duffy氏はX(旧Twitter)に投稿していた。

(Sean Duffy運輸長官公式Xアカウント)

 一方でMusk氏は「航空旅行の安全性は、党派を超えた課題だ。SpaceXのエンジニアは、航空旅行の安全性の向上に貢献するだろう」とXに投稿している

 海外メディアのSpaceNewsによると、2月12日に開かれた第27回の商業宇宙会議(Commercial Space Conference:CSC、旧Commercial Spaceflight Federation:CSF)のパネルディスカッションで、SpaceXでStarshipの飛行信頼性担当ディレクターを務めるShana Diez氏は、同社がFAAの航空交通機関(Air Traffic Organization:ATO)と密接に連携し、打ち上げに関する空域通知を行っていると述べた。

 1月16日に実施された、Starshipの統合飛行試験(Integrated Flight Test:IFT)の7回目(IFT-7)となる「Flight 7」では、第1段エンジン(ブースター)であるSuper Heavyの空中キャッチに成功したが、第2段(上段)のStarshipは空中で分解。このため、数十便の航空機が進路変更や遅延を余儀なくされた

 Diez氏によると、Flight 7でもこれまでと同じようにSpaceXとATOは連携して「残骸対応エリア」を調整していた。このエリアが発動されたのはFlight 7が初めてという。

 「発動されてから空域の清掃が始まるまで、ほんの数分」(Diez氏)。残骸が落下するまでの時間を考えると十分とし、空域は約15分で清掃されたという。ただ、必要以上に長く閉鎖されたと課題があったことも認めている。「望んでいたよりも長く閉鎖した。改善点を議論したい」(Diez氏)

関連情報
Sean Duffy運輸長官公式X(旧Twitter)アカウント投稿
Elon Musk氏公式Xアカウント投稿
SpaceNews

Related Articles