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身体障がいのESA宇宙飛行士、ISSミッションで初の医療認定–右脚を失い、義足を装着

2025.02.17 17:09

塚本直樹

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 欧州宇宙機関(ESA)は2月14日、身体に障がいがあるJohn McFall(ジョン・マクフォール)氏が、国際宇宙ステーション(ISS)へのミッションに必要な医療認定を受けたと発表した。

 McFall氏は19歳の時にオートバイ事故で右脚を失い、義足を装着している。このような障がいを持ちながら、ISSミッションの訓練を受ける医療認定を取得したのは、彼が初めてだ。

 「Johnは、ISSでの長期ミッションに飛行できる宇宙飛行士として認定された。これは、より多くの人々が宇宙へアクセスできるという私たちの目標にとって、非常に大きな前進だ」と、ESAで有人・ロボット探査部門ディレクターを務めるDaniel Neuenschwander氏は2月14日に開かれた記者会見で説明した。

 McFall氏はISSミッションの医療認定を取得したが、ESAは具体的な飛行任務をまだ割り当てていない。同氏は2022年に選出された12人の予備宇宙飛行士の1人。英宇宙庁(UKSA)と米民間企業Axiom Space(アクシオム・スペース)が締結した民間有人宇宙飛行ミッションの候補者にも名前が挙がっている。

 1981年生まれの同氏は整形外科医。元パラリンピック選手であり、2008年の北京パラリンピックで陸上100mで銅メダルを獲得した。身体に障がいがある人がISSでの長期ミッションに参加できるかどうかを調べる取り組み「FLY!」に2022年に選ばれた。

パラボリックフライト(放物線飛行)による無重力訓練に挑むJohn McFall氏(出典:ESA / Novespace)
パラボリックフライト(放物線飛行)による無重力訓練に挑むJohn McFall氏(出典:ESA / Novespace)

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ESA会見
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FLY!概要
SpaceNews

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