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宇宙での安全保障で「米中対話」の必要性、米外交問題評議会が提言–対衛星兵器や宇宙ゴミなど

2025.02.13 08:00

塚本直樹

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 米トランプ政権と連邦議会に対し、米国の宇宙におけるリーダーシップを維持するために、中国との外交チャンネルを確立するよう、米外交問題評議会(Council on Foreign Relations:CFR)の報告書が提言している。CFRは外交誌「Foreign Affairs」を発行するなど、対外政策決定に大きな影響力を持つとされている。

 米国時間2月11日に発表された報告書「宇宙の安全保障:米国の行動計画(Securing Space:A Plan for U.S. Action)」では、対衛星兵器(ASAT)の脅威や宇宙ゴミ(スペースデブリ)の増加、中国との競争激化など、米国が直面する課題を指摘している。宇宙政策を政府の最優先課題とする必要性を強調している。

 報告書は、中国の宇宙開発能力が急速に拡大していることを指摘。特に軌道上での誤認や衝突のリスクを提言するため、米中間での直接的な通信ホットラインの設置を提言している。このホットラインは冷戦時代に米ソ間で設けられた、危機管理メカニズムをモデルにしたものだ。

 民間企業の間では過度な規制に対する懸念もあり、報告書は「ルール・オブ・ザ・ロード(行動規範)」を策定することが、最終的にはイノベーションを促進すると主張している。

関連情報
「宇宙の安全保障:米国の行動計画(Securing Space:A Plan for U.S. Action)」
SpaceNews

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