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米アクシオムスペース、宇宙ステーションの組み立て順序を変更–2年早く利用可能に
米Axiom Space(アクシオムスペース)は米国時間12月18日、同社が開発、運営する民間宇宙ステーション「Axiom Station」(アクシオムステーション)を組み立てる順序を変更すると発表した。
Axiom Spaceは2030年代末までにAxiom Stationの建設を予定している。これは、2030年に運用が終了する国際宇宙ステーション(ISS)の代替としての使命も担っている。
新しい計画では、ISSに設置する(Axiom Stationに電力や熱などを供給する)「Payload Power Thermal Module(PPTM)」から始まる。PPTMは以前予定していたISSの「Node 2 Forward」ではなく、「Cygnus」(シグナス)のような無人補給船が使用している2つのポートのいずれかに接続する。
その後は最初の居住棟(HAB-1)を打ち上げ、PPTMをISSから分離させてHAB-1とドッキングする。これにより、2028年には4人のクルーをサポートする、自由に飛行できる宇宙ステーションが完成する。その後はエアロックモジュール、2番目の居住棟(HAB-2)、研究モジュール(RMF)が追加される。
Axiom StationのPPTMはThales Alenia Space Italia(TASI)が製造し、2027年以降に打ち上げられる予定だ。PPTMがISSに設置されている間、Axiom Spaceは民間宇宙飛行士ミッション(Private Astronaut Missions:PAMs)をISSに送る予定だ。
当初は、まず初めにHAB-1をISSにドッキングさせる計画だった。このHAB-1をドッキングさせるのがNode 2 Forwardだ。
しかし、Node 2 Forwardは、2030年以降にISSを軌道から離脱させるための宇宙機「米軌道離脱機(U.S. Deorbit Vehicle:USDV)」がドッキングするためのポートだ。2030年以降にISSの運用が終了した後で、USDVはISSを南太平洋に落下させる。
Node 2 ForwardにHAB-1をドッキングさせると軌道離脱にはリスクとなる。こうしたことからAxiom Stationの組み立て順序を変更している。