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SOMPOリスク、豪企業開発の「ビーコン」を日本の衛星運用企業に紹介
2024.12.18 08:30
損害保険ジャパンの子会社SOMPOリスクマネジメントは、オーストラリアのANT61が開発する情報伝達機器であるビーコンを日本の衛星運用事業者に紹介する。SOMPOリスクの「宇宙ビジネス支援サービス」のメニューの一つとして進める。
ANT61のビーコンは、地球低軌道(LEO)衛星専用。衛星の状態をモニタリングする。
衛星運用事業者はビーコンから得られた情報を通じて故障発生前後の衛星の状態について、ビーコンを搭載しない場合よりも正確に把握して、故障が生じた衛星を復旧させるための手だてをより適切に検討できるという。打ち上げを控えている後継機にどのような改善を施すべきか検討することもできるとしている。
今回の紹介契約と関連して、損保ジャパンとSOMPOリスクは、ANT61のパートナーとしてANT61に日本市場参入について助言する。
衛星が宇宙空間に投入された初期段階で地上との通信を喪失事例が相次いでいると説明。地上との通信が途絶えると、故障原因が特定できないために後続機の開発で効果的な対策を講じるためのフィードバックが得られないという課題があると指摘している。
ビーコンは通信機器やソフトウェア、センサーを搭載。軌道に投入された小型衛星の状態を示す、姿勢や温度、生成電力などのデータを衛星本体の通信機器とは独立してビーコン経由で地上に送信する。
衛星側の仕様次第では、ビーコンを経由して地上から衛星に搭載されたソフトウェアを書き換えることも可能。ビーコンには電池が内蔵されていることから、衛星本体が故障した場合でも1週間程度はビーコン単体で地上と通信できるという。
3社は協業可能性を検討する合意書を7月に締結。損保ジャパンとSOMPOリスクは、宇宙テクノロジーを開発する事業者や宇宙ビジネスに参入しようとする企業を対象に宇宙ビジネス支援サービスを2023年11月から提供している。