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国際宇宙ステーションの「空気漏れ」、米国とロシアで意見に相違
2024.11.14 17:59
米航空宇宙局(NASA)とロシア宇宙機関のRoscosmos(ロスコスモス)が、国際宇宙ステーション(ISS)のロシア製モジュールで起きた空気漏れの原因と深刻さについて、意見の相違が続いていることが報じられている。
ISSでは、ロシアの「Zvezda」(ズヴェズダ)モジュールの一部で空気の漏洩が発生。ドッキングポートをモジュールから分離する「PrK」と呼ばれる場所の修理作業が実施された。しかし、空気漏れは現在も継続している。
海外メディアのSpaceNewsによると、米国時間11月13日に開かれたISS諮問委員会の会議でNASAはPrKの空気漏れについて「ロシアモジュールの一部に壊滅的な故障をもたらす可能性」があると指摘。一方で米国とロシアの技術チームは、空気漏れの根本原因や重大性について、共通の認識を持っていないことも指摘している。
現在ISSでは、ポートにドッキングしている無人補給船「Progress」にアクセスする必要がない時は、PrKを他の部分と隔離することで、空気漏れに対応している。ロシアの技術者は微少振動による亀裂が原因だと考えているが、NASAは圧力や機械的なストレス、残留応力、モジュールの材料特性、環境など、複数の要因が関係していると考えている。