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米空軍、軌道から90分で物資を届ける宇宙機の開発で米シエラを支援–補給物資などを最大5年保管
2024.10.04 18:30
米Sierra Space(シエラスペース)は米国時間10月3日、軌道上から地上のあらゆる場所に90分以内に貨物(ペイロード)を届けるシステムとして「Ghost」(ゴースト)宇宙船の開発を進めるため、米空軍研究所(AFRL)からの支援を確保したと発表した。
Ghostは軌道上に最大5年間留まり、必要に応じて物資を保管、配送できるように設計されている。これには、墜落したパイロットの救助キット、災害救助用の医療物資、軍事作戦の兵站支援などが想定されている。
2024年初めに米フロリダ州のケネディ宇宙センターで落下実験に成功。Ghostに搭載できるペイロードは150kg程度を想定しているが、5tや10tを収容するまでに拡張できるように今後1年間でさらなる開発が予定されている。
AFRLはロケット実験プログラム「Rocket Experimentation for Global Agile Logistics(REGAL)」の一環として、Ghostの開発を進める。海外メディアのSpaceNewsによると、これには軌道上に事前に配置された在庫からペイロードを配送できる、再使用可能な大気圏再突入機が含まれる可能性がある。
Sierraは「我々とAFRLは、現在の小型ペイロードの帰還システムと、数トンの落下システムとの間のギャップを埋めたいと考えている」と述べている。「Ghostをより大型のフォームファクターに拡張し、重要な防衛ミッションに対応できるようになる」